NACS舞台に心からの賛辞を
TEAM NACS 第16回公演
PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて~
私の愛してやまない北の演劇集団 TEAM NACSの本公演
前回の悪童から約三年… 今回はリーダー森崎博之さんが演出するとあって期待していた
(勿論、悪童も良かったが私的にリーダー演出作品の方が好きでして…)
スモークが劇場内に立ち込める
照明が落ちる
そしてNAOTOさんのバイオリンが響き渡る
透明の暗幕に映像が浮かび上がり 出演者の写真が次々に出ては消える
一瞬にして劇場が戦場へとかわりその世界観に惹き込まれる
物語は第二次世界大戦終戦の日から三日後、ソ連軍が占守島に攻め入ってきたところから始まる
史実を元に作られた本作は勿論フィクションではあるのだがきっとこんな事が本当にあったのだろう…そう思わせるほどリアルだった
戦争ものではあるがそこはNACS
お得意の笑いもしっかりと組み込まれ、ファン垂涎の内輪ネタ(リーダーが音痴など)も随所に散りばめられており重苦しいだけには留まらない軽快なテンポ感で進められていった
登場人物もメンバーそれぞれのキャラクターが上手くマッチしておりとても魅力的だった
どこか頼りないが人の良さが滲みでて人間味溢れる少尉
部下思いで優しさに溢れたユーモラスな軍曹
過去に縛られ仲間の亡霊に苦悩する整備兵
素直で真っ直ぐで可愛らしさすら感じる二等兵
そして全てを失い絶望の中泣く事すら出来なくなってしまった歩兵
この五人が偶然出会い、共に戦うことで生まれる絆
TEAM NACS五人のリアルな関係性とオーバーラップした
5人5様それぞれバラバラとも思える演技で個性がぶつかり合い反発するかと思わせるが五人が集結すると絶妙なハーモニーを奏でるように物語が紡がれてゆく
物語終盤の安田さんの演技は鬼気迫るものがあり圧巻であった
圧倒的な存在感、、、あの瞬間あの場の誰もが彼の演技の虜になったはずだ 私は目が離せなかったそして涙を抑えることができなかった
これぞまさにTEAM NACS
そう思わせる見事な舞台だったと思う
そして多くの人に観てほしい
そんな素晴らしい舞台だった